Chapter 4. ワークシートの概要

4.1. ワークシート

Gnumeric を開くと、ワークシートのビューが表示されます。ここで、スプレッドシートを使う作業のほとんどが行われ、また、Gnumeric の各種サブダイアログにも、すべて、ここからアクセスすることができます。

ワークシートのビューは、いくつかのメインエリアに分かれています。メニューバー、ボタンバー、入力領域、メイン・セル領域、情報領域です。Figure 4-1 を参照してください。

Figure 4-1. ワークシートの全貌の例

4.1.1. メニューバー

メニューバーのデフォルトの位置は、アプリケーション・ウィンドウの一番上です。メニューバーを使って、よく使われるいくつかの機能に、迅速かつ整然とアクセスすることができます。

4.1.1.1. File

New

新しいワークシートを作成します。ウィンドウに新しいワークシートを開きます。

Open

既存のワークシートを開きます。ファイルが選択された新しいウィンドウを生成します。

Save

カレントのワークシートを保存します。すでに名前を付けて保存してあるファイルなら、この機能によって、暗黙のうちに新しいファイル名で保存されます。初めて保存するファイルなら、ファイル名とパスの入力が求められます。

Save as..

ファイルを新しい名前で保存します。新しく作成されたファイルを保存したり、ファイルを別の名前で保存したりするのに使います。

Plugins

プラグイン・ダイアログを開きます。プラグインの読込みや保存に使います。このダイアログで、読込み済みのプラグインをリスト表示ができ、また、プラグインの追加をすることもできます。

Close

カレントのワークシートを閉じます。

Quit

開いているワークシートを閉じて Gnumeric を終了します。

4.1.1.2. Edit

Cut

現在選択されているセルのコンテンツを切り取って保存します。

Copy

後で貼り付けられるように、現在選択されているセルのコピーを作成します。

Paste

カーソル位置のカット・バッファにあるすべての内容を貼り付けます。

Paste Special

カット・バッファから貼り付けますが、貼り付ける内容に関しては、より多くのオプションがあります。フォーマットだけ、あるいは値だけを貼り付ける場合などに便利です。

Select All

ワークシートにあるすべてのセルを選択します。

Clear ->

All

すべてのセルを消去します。

Formats

選択したセルのフォーマットを消去します。

Goto Cell

「ジャンプ」先のセルを指定することができます。

4.1.1.3. View

Zoom

ズームインします。スプレッド・シートの一部分をさらに詳しく表示します。

4.1.1.4. Insert

Cells

新しいセルを追加します。

Rows

セルの行を追加します。

Columns

セルの列を追加します。

4.1.1.5. Format

Cells

セル・フォーマット・ダイアログを開きます。フォーマット・スタイル、色などを変更するときに使います。

4.1.1.6. Help

Cells

Gnumeric のオンライン・ヘルプを開きます。

4.1.2. ボタンバー

ボタンバーには、よく使われる機能を表す数多くのアイコンがあります。これらのツールにすばやくアクセスできるようにと設けられたものです。

New File.

新しいファイルを作成します。

Open

既存のファイルを開きます。

Save

カレントのワークシートをディスクに保存します。

Cut

現在選択されている範囲にあるセルをカット・バッファにコピーして削除します。

Copy

現在選択されている範囲にあるセルをカット・バッファにコピーします。

Paste

カット・バッファのコンテンツをアクティブ・セルに貼り付けます。

Left justify..

セルのコンテンツをセルの左に揃えます。

Center

セルのコンテンツをセンタリングします。

Right Justify

セルのコンテンツをセルの右に揃えます。

Bold

カレントのセルを太字体にします。すでに太字体になっている場合は太字体から変更します。

Italic

カレントのセルのスタイルをイタリック体に変更します。

Line

ワークシートに線を作図します。

Arrow

片端に矢のついた線を作図します。ポインタです。

Box

ワークシートに四角形を作図します。

Ellipse

ワークシートに楕円や円を作図します。

4.1.3. データ入力領域

ボタンバーのすぐ下にあるのがデータ入力領域です。小さな領域ですが、ここに、カレント・セル・インジケータ、 確認 ボタン、キャンセル ボタン、セル・コンテンツの詳細な編集に使う入力領域があります。Figure 4-2を参照してください。

Figure 4-2. データ入力領域

4.1.3.1. カレント・セル・インジケータ

データ入力領域の左端にカレント・セル・インジケータの領域があります。一つのセルが選択されたときは、そのセルのアドレスが表示されます。ある範囲が選択されると、そのサイズが次のフォーマットで表示されます。

4Lx5C

L は行数、C は列数です。上の例は、4 行 5 列が選択されたことを示しています。

Figure 4-3. カレント・セル・インジケーター

4.1.3.2. 確認ボタン

入力領域にデータを入力している際に、緑のリターンボタンを押してカレント・セルのコンテンツを確認することができます。 .

4.1.3.3. キャンセルボタン

セルに入っているデータを変更したいときは、キャンセルボタンを押して、カレント・データをキャンセルし、そのセルを前の状態に戻します。セルに入力中のデータは、赤いX ボタンを押すとキャンセルすることができます。 .

セルのコンテンツを新しいデータで上書きするときに使うのが、このボタンの最も一般的な使い方です。データを変更したが、まだ確認(確定)はしていない段階で、もう一度元に戻したいときは、キャンセルボタンを使います。

4.1.4. セル領域

スプレッドシートに対する作業のほとんどは、メイン・セル領域、すなわち、ワークシートのうち、大きなグリッド状の部分で行います。ここが、すべての数式やデータを入力する場所であり、スプレッドシートに対する作業の中心となる部分です。

スプレッドシートの端には列ラベルと行ラベルが付いています。列ラベルはアルファベット順に、シートの上端に横に並びます。Figure 4-4 を参照してください。行ラベルは数字の順に、シートの左端に沿って縦に並びます。Figure 4-5 を参照してください。

Figure 4-4. ワークシート上端の列ラベル

Figure 4-5. ワークシート左端の行ラベル

4.1.5. 情報領域

ワークシートの一番下のセクションは情報領域です。ここには、現在選択されているセルについての情報が入っています。またここから、ズームイン、ズームアウトに使うボタンにアクセスすることができます。シート・インジケータもここにあります。

Figure 4-6. 情報領域

4.1.5.1. シート・インジケーター

左端にシート・インジケータがあります。複数のシートを含むワークブックでは、含まれているシートの数がここに示されます。また、該当のタグをクリックして別のシートに移動することができます。この機能はまだ実装されていません。

4.1.5.2. ズームボタン

Zoom in (Figure 4-7)ボタンと Zoom out (Figure 4-8) ボタンも情報領域にあります。Zoom in を押すとスプレッドシートを拡大してシートの細目を表示させることができます。Zoom out を使うと、細目は見えなくなりますが、スプレッドシートの表示範囲を広げることができます。また、View メニューと Zoom オプションを使って変更することができます。

Figure 4-7. Tズームインボタン

Figure 4-8. ズームアウトボタン

4.1.5.3. 自動計算領域

右下にあるのは、名にらかの項目について自動的に計算した値を示す情報領域です。デフォルト設定は、現在選択されているセルの合計数を示すようになっています。

右クリック・オプションがあり、選択できる項目が他にもいくつか用意されています。Sum(合計)、Min(最小値)、Max(最大値)、Average(平均)、Count(カウント)などを計算させることができます。

Figure 4-9. 自動計算領域